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肝疾患の食事について

2023.11.15    タグ:

ワンちゃんもヒトと同じように様々な病気になります。今回は肝疾患の場合の食事のポイントをご紹介します。

 

肝臓は胃や腸で分解・吸収された栄養素を代謝し、利用しやすい形にして貯蔵したり、必要に応じてそれらを分解してエネルギーをつくり出します。

また、摂取した薬などや代謝の際に生じた有害物質を毒性の低い物質に変え、尿や胆汁中に排泄する解毒作用も行っています。

肝臓は脂質やたんぱく質の消化を助ける胆汁を生成します。胆汁は肝臓で生成された後、胆のうで濃縮され、十二指腸に食べ物が到達すると分泌されます。

 

肝疾患の原因は感染症(犬伝染性肝炎、犬レプトスピラ病)や肝炎、肝硬変などの炎症、門脈体循環シャント、内分泌性疾患、腫瘍など多種多様です。その上、肝臓は沈黙の臓器(サイレントキラー)と呼ばれ、疾患に気づきにくい臓器と言われています。

 

肝臓は一部を切除しても元の大きさに戻るほど再生力の強い臓器です。

しかし、肝疾患で機能が低下している場合には肝臓への負担を軽減し、再生を促すことが重要になります。そのため、日々の食事療法に気を付ける必要があります。

以前は「高たんぱく、高カロリー、低脂質」が基本と言われていましたが、現在では弱っている肝臓に多くの栄養素を与えることがか逆に負担を増やすとされています。基本的には肝疾患用の治療フードをもとにバランスの良い食事を摂ることが重要です。

 

■肝疾患の場合の食事の注意点

  • 消化の良い食事
  • 1回の食事量を少なくし、頻回食にする
  • 良質なたんぱく質を摂取する(脂質の少ない鶏肉や卵、魚など)
  • ビタミンB群の強化
  • 過剰な脂質を避ける

 

ただし、高アンモニア血症の場合はタンパク質を制限する必要があります。

獣医師に相談しながら食事療法で症状が安定できるようコントロールしてあげてください。